リフォーム全体における材料費の割合は何割?平均相場を比較
リフォームにかかる費用の中で、材料費が占める割合は決して小さくありません。一般的に、リフォーム総額の約30~50%が材料費とされています。ただしこの割合は、工事の種類や規模、使用する建材のグレードによって大きく異なります。たとえば水回りのリフォームでは設備機器や防水素材の価格が大きな比率を占め、外装の塗装や張り替えでは施工面積が広がるため単価よりも総量が影響するケースが多くなります。
以下に、主要なリフォーム項目ごとの材料費割合の目安を一覧でまとめました。
リフォーム内容
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総費用のうち材料費の割合目安
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備考
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キッチンリフォーム
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45~55%
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システムキッチン本体、天板、扉、収納材などが高額
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浴室リフォーム
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40~50%
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ユニットバス、断熱パネル、防水材などの費用含む
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トイレリフォーム
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30~40%
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便器本体、床材、壁材などが中心
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フローリング張り替え
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35~50%
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材質によって幅あり(無垢材は高額)
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外壁張替え・塗装
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45~60%
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サイディングや塗料の種類で大きく変動
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屋根リフォーム
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35~50%
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スレート材、金属材の価格差が大きい
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間取り変更(内装工事)
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30~40%
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木材、石膏ボード、建具などの部材が中心
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こうした費用の内訳を把握しておくことで、見積書の項目ごとの価格が妥当かを判断しやすくなります。たとえば、総額200万円のキッチンリフォームで材料費が80万円程度であれば相場通りですが、120万円を超える場合はハイグレードな設備が含まれている可能性があります。
また、建材の種類によっても大きな差があります。無垢材のフローリングや天然石の壁材は高価で、人工素材のものよりも材料費が1.5倍以上になるケースもあります。一方、リフォーム建材販売店やアウトレットショップを活用すれば、同等の性能を持つ材料をコストを抑えて仕入れることも可能です。東京都内や大阪、名古屋などの都市圏にはこうしたショップが多く存在しており、DIYリフォームユーザーにも支持されています。
さらに、DIYで施工する場合は工賃が抑えられる分、材料費の占める割合が高くなりがちです。個人で作業を行うためには、施工がしやすく加工性に優れた建材を選ぶ必要があります。具体的には、置くだけタイプのフロアタイルや粘着式の壁紙、軽量の石膏ボードなどが挙げられます。これらの素材は施工性が高く、初心者にも扱いやすいというメリットがあります。
このように、リフォーム費用のうち材料費がどれくらいを占めるかは、工事の部位・内容・素材によって変動します。相場を理解したうえで、自分の目的や予算に応じた素材選びが重要です。
なぜ今、材料費が高騰しているのか?価格推移と背景分析
ここ数年、住宅リフォーム業界では材料費の高騰が続いており、2025年現在でもその影響は広がり続けています。リフォームを計画するうえで、材料費の値上がりを理解しておくことは非常に重要です。価格が上昇した原因は複数ありますが、特に以下のような要素が複合的に絡み合っています。
まず、世界的な木材価格の上昇が挙げられます。いわゆる「ウッドショック」と呼ばれた供給不足の影響は今も続いており、特に輸入材である米松やホワイトウッドなどの価格が高騰しています。ロシアやカナダからの供給が滞ったこと、世界的な住宅需要の増加、そして運搬用コンテナの不足が拍車をかけました。これにより、無垢フローリングや構造材の価格は大幅に上昇しています。
また、鉄鋼価格の上昇も大きな要因の一つです。金属製の屋根材、外壁材、サッシや手すりなどに使われる鉄鋼やアルミ素材は、国際的な原材料価格の変動に敏感であり、特に中国や東南アジアの建設需要が高まったことで価格競争が激化しています。
さらに、物流コストの増加も無視できません。燃料費の高騰、トラック運転手不足による輸送コストの上昇、そして海外からの輸入建材にかかるコンテナ運賃の高止まりが、材料費全体を押し上げています。国内における建材流通網の見直しも必要とされていますが、地方では未だ改善が進んでおらず、地域差による価格変動も見られます。
為替の影響も大きく、日本円の相対的な下落により輸入建材の価格がさらに上昇するという悪循環が起きています。特に北欧や欧州からの高品質な断熱材、樹脂製品などは価格転嫁が避けられず、ハイグレードなリフォームを望む消費者にとって負担が増しています。
建材価格の変動は一時的なものではなく、長期的な傾向と捉えるべきです。そのため、価格が落ち着くのを待つのではなく、現在の価格を前提にした予算設計が求められます。
以下は、代表的な価格高騰の背景要因を整理した一覧です。
要因
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内容
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木材の供給不足
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ウッドショック、輸入制限、伐採規制などにより価格が上昇
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鉄鋼・金属素材の高騰
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中国やインドなどの建設需要増加、鉄鉱石価格の上昇
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物流コストの増加
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運送業界の人手不足、燃料費高騰、輸送コストの上昇
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為替変動
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円安による輸入価格の上昇、特に欧米圏からの高品質素材に影響
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国内需要の増加
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テレワーク普及に伴う住宅改修需要の急増による在庫不足
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これらの要因により、リフォーム計画時には「今が買い時か」「必要な建材を今確保すべきか」といった判断も重要です。特に人気の高いリスタフロアタイルやtoolbox製の内装材などは、在庫が不安定になりやすいため、事前の問い合わせや予約が推奨されます。